60 歳以上の方は、ぜひ血流感染の予防法の探求にご協力ください。
過去に尿路感染症にかかったことがある 60 歳以上の人は、大腸菌を原因とする血流感染を発症するリスクが高くなります。
E.mbrace 試験は、過去 2 年間に尿路感染症にかかった 60 歳以上の方を対象とし、血流感染の予防に役立つ可能性がある治験ワクチンの有効性と安全性をプラセボ(見た目は治験ワクチンと全く同じで、有効成分を含まないワクチン)と比較評価するものです。この治験では、治験ワクチンまたはプラセボが 1 回投与されます。
尿路感染症にかかったことがある男性および女性は、以下の条件を満たす場合、E.mbrace 試験に参加できる可能性があります。
- 60 歳以上である
- 過去 2 年間に尿路感染症にかかった
- ご自身または介護者が、パソコンやタブレット端末上のインターネットを介したプログラム、またはスマートフォンのアプリを問題なく扱える
その他の適格性基準については、治験スタッフが評価します。
E.mbrace 試験への参加に適格であると認められた方には、治験ワクチンまたはプラセボが 1 回投与さ れ、少なくとも 8 回の治験来院の実施をお願いします。来院は対面で行う場合と、スマートフォン、パソコン、またはタブレット端末を使用してリモートで行う場合があります。この治験の参加期間は約 3 年間です。来院形式(対面またはリモート)は、治験スタッフが決定します。参加に必要な連絡先や来院については、治験スタッフから随時お知らせします。
治験参加者またはその介護者(該当する場合)は、インターネットを介したアプリケーション(ノートパソコン、デスクトップパソコン、タブレット端末)またはスマートフォンのアプリを使用して情報を記録し、それらの情報を治験スタッフと共有していただく必要があります。この技術のことを「モバイルヘルスプラットフォーム」と呼び、治験期間全体を通してこの仕組みが使用されます。
E.mbrace 試験への参加にご興味をお持ちの場合は、詳細について最寄りの治験実施施設にお問い合わせください。
ワクチン接種は、疾患の原因が人体に接触する前に、これを予防したりその影響を低減する手段の 1つです。これにより、人体が持つ自然免疫機能を活用して特定の感染症に対する抵抗力を高め、免疫系を強化します。ワクチンの多くは注射によって投与されますが、経口(口から)投与されるタイプや点鼻薬型のものもあります。
治験(臨床研究試験とも呼ばれる)とは、治験薬または治験治療を科学的に評価するために綿密に計画された試験のことです。治験は、医師および研究者によって行われます。独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)などの規制当局は治験の結果を審査し、治験薬を承認して患者さんが使用できるようにすべきかどうかを判断します。治験は、より良い治療法を新たに開発し、患者さんへの医療を向上できる唯一の方法です。一般に、治験は治験審査委員会(IRB)または倫理委員会(EC)による審査を受けます。IRB または EC による審査の目的は、治験に参加する人々の権利や福祉を守るための適切な措置が講じられていることを保証することです。治験は、経験を積み、訓練を受けた医療専門家によって実施され、治験期間中における参加者の健康状態も適切に確認されます。
同じ疾患や治療、薬であっても、年齢、性別、人種や民族などの遺伝的背景によって影響が異なるこ とが、これまでの研究で明らかになっています。そのため、多様な集団を対象に治験を実施し、ワク チンや薬がその使用者にとって総じて安全かつ有効である(またはリスクよりも利益の方が大きい)ことを確かめることが重要です。
1 つの治験を行うだけでも、多くのボランティアの方々の参加が必要です。信頼性のある情報を得るため、時には何千人もの方に参加していただく必要があります。こうして得られた情報は、PMDA など各国の規制当局に提出されます。これらの当局は情報を分析し、薬が安全かつ有効である(またはリスクよりも利益の方が大きい)かどうかを判断した上で、一般利用に向けた承認を行います。
よくある質問
Janssen Research & Development が本治験の実施の責任を負います。
治験に参加するかどうかはあなたの自由です。本治験への参加または不参加のどちらを選択されても、あなたが現在受けている治療または今後受ける治療には影響しません。参加することを選択した場合も、理由を問わずいつでも参加を取りやめることができます。
適格な参加者は、治験ワクチンまたはプラセボの投与と治験に必要な医療を無償で受けられます。本治験では、あなたの日常の医療に必要な他の治療や使用中の薬剤に関する費用は支払われません。
参加者にとってのリスクをできるだけ低く抑えるため、すべての治験は、規制当局などの審査委員会による審査を受け、継続的に監視されます。皆さんはボランティアですので、理由を問わずいつでも本治験への参加を取りやめる権利があります。
尿路感染症は必ずしも徴候や症状を伴うとは限りませんが、例としては以下が挙げられます。
- 持続的な強い尿意
- 排尿時の灼熱感
- 頻繁かつ少量の排尿
- 混濁尿
- 赤色または明るいピンク色、コーラ色の尿(血尿の徴候)
- 臭いの強い尿
- 女性の場合、骨盤痛(特に骨盤中央部および恥骨周辺)
尿路感染症はよくあるタイプの感染症で、場合によっては抗生物質で簡単に治療可能です。ただし、時として、尿路感染症の原因となった細菌が血流に感染することがあります。これは尿路性敗血症と呼ばれ、生死にかかわるおそれがあります。
ExPEC は、大腸菌に属する細菌の一種です。ExPEC は、腸管外病原性大腸菌疾患の略称で、世界的に感染症の原因として増加しています。この細菌は、人体の血流またはその他の部位に感染する可能性があります。ExPEC に起因し、重篤化するおそれもある各種の感染症は、侵襲性 ExPEC 疾患(IED)と総称されます。